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    日本三大酒処で酒の都「西条」を持つ、広島のいろいろな地酒

    広島県には日本三大酒処の一つと呼ばれる西条があります。西条は日本酒を作る場所としては全く向いていませんでした。そこにある男が現れる事で西条を中心に日本全国に知れ渡る日本酒を生み出す酒の都になります。どのようにして、広島は多彩な地酒を生み出せたのか?

    日本三大酒処の一つ「西条」

    西条を酒の都に導いた男

    酒造家で「吟醸酒の父」と呼ばれる三浦仙三郎の大きな貢献で広島の「西条」は日本三大酒処の一つに呼ばれました。西条の他に兵庫の「灘」・京都の「伏見」がありますが灘・伏見は基礎である水が名水として有名です。

    広島の水は酵母の栄養となるミネラルを含まない軟水と酒造りには不適でした。1898年に仙三郎の生み出した軟水による改良醸造法を完成させ、広く公開したことで杜氏の養成に尽力を尽くしました。この技術が後に吟醸酒を生み出す大きなきっかけになります。

    日本三大酒処の一つへ

    広島の蔵元達は当時、確立された灘ブランドに負けないお酒を造ろうと酒の改良に励みます。この醸造法は全国で好評となり、改良醸造法誕生から約10年後に全国清酒品評会で広島の酒が上位を占めました。

    1911年には全国新酒鑑評会で広島の酒が上位入賞したことで全国に知れ渡り、広島の西条は灘・伏見に並ぶ、銘醸地へとなりました。

    現在では毎年10月第2土・日の2日間で酒祭りが開催されます。

    広島の人気地酒:竹鶴

    竹鶴は竹鶴酒造で誕生した純米酒で透明に澄んだ純米吟醸は和食との相性が最高でなめらかな口当たりはサッパリとした夏の和食にこってりとした冬の和食にも格別!

    竹鶴酒造は「日本ウイスキーの父」と呼ばれた竹鶴正孝の生家でもあります。竹鶴正孝の父・竹鶴敬次朗は三浦仙三郎と共に広島の酒造りの改良に取り組んだ一員です。

    広島の人気地酒:龍勢

    龍勢は広島が生産地の酒作りに向いている米の八反錦を使っていて、飲み方によって、酒の口が変化を楽しめます。酒質は綺麗で香りがあり、奥深い旨味のある凛としたお酒です。

    広島の人気地酒:賀茂鶴

    広島を代表する賀茂鶴酒造の日本酒です。賀茂鶴は冷酒で味わえるすっきりとした辛口と熱燗で楽しむ旨口があります。

    2014年にはアメリカ大統領のオバマ氏と安倍首相の会食で賀茂鶴が飲まれており、広島の賀茂鶴ブランドに大きな影響を与えました。

    広島の人気地酒:酔心

    酔心は広島県三原市が発祥でかの巨匠・横山大観が好んで飲んだ日本酒です。味はとても滑らかでキメ細かい甘さと口全体に芳醇な香りが感じ取れます。

    2015年には「ワイングラスでおいしい日本酒アワード2015」メイン部門の金賞を受賞しました。

    広島の人気地酒:誠鏡

    誠鏡は広島県竹原市にある中尾醸造で生まれた日本酒で昭和22年には独自製法で「リンゴ酵母」を作りだします。リンゴ酵母の効果で誠鏡の質は上がり、広島を代表する日本酒の一つです。

    誠鏡「幻」の赤箱はとても人気で春・秋の限定生産で「誠鏡の幻」・「まぼろしの誠鏡」と称されるほどです。

    広島の人気地酒:雨後の月

    広島の日本酒にはあまりなかったフルーティーな香りを持ち合わせている雨後の月の味はやや甘口で余韻の長く楽しめる日本酒です。大吟醸は若くもエネルギッシュな香りに軽快で気品が溢れる味です。

    雨後の月は豆腐やかまぼこ、贅沢に鯛とさっぱりとした食事との相性は素晴らしいです。

    広島の人気地酒:千福

    千福は広島県ではCMソングがとても印象深くでロゴのお多福も特徴的で頭に残る日本酒です。

    千福はワンカップやVパックから本格的な醸造酒や純米酒と種類はとても多いブランドです。味はスッキリとした美味しさから、やわらかな甘みと酸味のバランスの良い物と自分の好みを探す楽しみがあります。

    お手ごろな値段もあるので、お試しで日本酒を味わうには良いお酒です。

    広島の人気地酒:賀茂泉

    賀茂泉は米と米麹のみで造る純米酒の製造を戦後でいち早く始めました。賀茂泉は炭素ろ過をしていないので、ほんのりとした琥珀色が特徴です。

    味は辛口ながらも旨味があり、飲み飽きない優しい味わいは女酒と呼ばれる広島のお酒らしいです。

    最後に

    広島の西条を有名な酒処に築いた三浦仙三郎がいなければ、広島からこれほどの多くの地酒は誕生していませんでした。

    改めて、広島の地酒の奥深さ・シンプルでありつつも清らかな世界は日本の心と言えます。

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