2016/02/10
neko.shinohara
2016/03/24 更新
コニャックって、敷居が高い高級酒のイメージがあると思います。飲み方がどうとか、そんなの縁のない話だわ・・、なんて思ってませんか?でも、実は意外に女性と相性のいいお酒かもしれないんです。そんなコニャックの飲み方について、あらゆる方向からアプローチしてみました!
コニャックはブランデーの一種です。ブランデーというのは、果実から作られた蒸留酒のことです。ちなみに、果実ではなく麦(主に大麦)から作られた蒸留酒がウイスキー。そういえば、色はどちらも琥珀色で似ていますよね?コニャックはブランデーの中でもフランスの南西部にある、コニャック(Cognac)町周辺の地方で作られた特定のものを指します。製法や原料の種類まで細かく定められているこだわりのブランデーです。
コニャックはワイン同様、ブドウを原料とします。使用されるブドウの産地はコニャック町近郊のボア・ゾルディネール、ボン・ボア、ファン・ボア、ボルドリ、プティ・シャンパーニュ、グラン・シャンパーニュの6箇所に限定されます。
シャンパーニュという名前が出てきますが、シャンパーニュ・ワイン(シャンペン)とは全く関係がなく、そちらのシャンパーニュからは500kmほど離れた土地です。コニャックを作っているシャンパーニュの位置は、どちらかというとフランスワインの一大名産地・ボルドーにほど近い場所にあります。
ヘネシーVSOP フィーヌ・シャンパーニュ
シャンパーニュ、という地名が入っていて日本でも販売されている有名な銘柄は、ヘネシーのVSOP フィーヌ・シャンパーニュ。プティ・シャンパーニュで作られたコニャックがブレンドされています。
コニャックもやはりウイスキーと同じように、ポットスチルを使って蒸留が行われます。ブドウを発酵させて白ワインを作り、独特の形をした銅製のポットスチルを使って直火で蒸留します。コニャックの蒸留法は単式蒸留と呼ばれます。これが2回行われた後、フランス産のオーク樽の中で最低2年以上熟成されたものがコニャックです。
ポール・ジロー エリテージ
コニャックは原料の白ワイン7500リットルを蒸留して、およそ800リットルが作られます。なんと9分の1以下になるんですね。ブドウの成分がギュッと濃縮されてアルコールに込められた、ワインの美味しさのエッセンスのようなものです。だから高級でもあり美味しいお酒でもあるというわけです。
コニャックを作るメーカーの中には、2回の単式蒸留の課程全てを手作業で行っているところもあります。そうした昔ながらのやり方を守る製造業者の中で、日本でも有名な会社にはポール・ジロー社などがあります。
ゴッドファーザー PART II
コニャックはもともと、フランス皇帝ナポレオン一世が愛した飲み物として知られ、貴族的なイメージが高いブランデーでした。1974年のハリウッド映画『ゴッドファーザーPart2』(フランシス・コッポラ監督)の作中には、主演のアル・パチーノがコニャックを飲むシーンが登場します。コッポラ監督の映像美によってコニャックの名も世界的に有名になりました。
マフィアの世界を描いたこの映画の影響で、なんとなくコニャックと言えば、男性が「ソファで葉巻をくゆらせながら飲む」という飲み方のイメージが強いですよね。
クルボアジェ XO
この映画『ゴッドファーザーPart2』でアル・パチーノ(マイケル役)が飲んでいたのは、クルボアジェ社のコニャックです。
クルボアジェ ナポレオン
そして実はこのクルボアジェ、ナポレオンが愛飲していたブランドなのです。そのため、コニャックのナポレオンと言えばクルボアジェ、そういうイメージが強いお酒でもあります。
さて、ではここからいよいよコニャックの飲み方について、色々とお伝えしていきたいと思います。
ブランデーというと、グラスの底を手のひらの上に乗せてゆっくりと回し、体温で温めながら飲むのが普通の飲み方、っていうイメージがありますよね。でも実はこれ、コニャックには不向きな飲み方なんだそう。
(このブランデーグラスの持ち方は今、主流ではなくなりました)
もともとコニャックは、温めて無理に香りを立たせなくても芳香を放つ飲み物なのです。室温と同じくらいの温度で楽しむのが理想の飲み方と言われます。最近ではもっと安価なブランデーでも品質が向上したため温める必要がなくなり、ブランデーグラスを手のひらに乗せて転がす飲み方は現在の主流ではなくなりました。グラスの底には手を触れず柄を持って飲む方が、コニャックを含めブランデーは美味しく飲めます。
コニャックの理想の飲み方を楽しむことができる、コニャックグラスがヨーロッパのメーカーでは作られています。日本国内でも入手可能です。小ぶりで細長いチューリップ型をした、柄の長いタイプのグラスです。
リーデル・ヴィノム・コニャックグラス
コニャックグラスの老舗メーカーにリーデルがあります。リーデルはワイングラス一般で高品質のグラスを販売していますが、コニャックグラスの評価も高いメーカーです。リーデル社のコニャックグラスの中では、ヴィノム・シリーズがリーズナブルな価格帯の製品です。
グラッパグラス
また、グラッパグラスと呼ばれるグラスを使ってコニャックを飲むのも、コニャックグラスを使うのと同様におすすめの飲み方です。チューリップ型のグラッパグラスでもコニャックは楽しめます。ちなみに、グラッパというのはイタリア産で色のつかない無色のブランデーのことです。
おすすめグラスの次は、コニャックの飲み方自体について、具体的にお伝えしていきましょう。
まず、王道の飲み方はやっぱりストレートです。コニャックは、ワインで食事を楽しんだ後に嗜む食後酒として最適です。ですから他の色々なバリエーションを楽しむ前に、やはり食後にストレートで飲んでみて、コニャックの香りや味わいを覚えておくのが一番です。
コニャックをストレートで飲むときは、30分以内で飲める量をグラスに注いで飲むのが良いとされます。あまり長い時間をかけて飲むと、ストレートの場合アルコール分が高い(40%以上)ため、香りが揮発して飛んでしまいます。30分以内で飲める量というのはもちろん個人差がありますが、目安として30~50ml位と言われます。
コニャックをストレートで飲むときの飲み方のポイントとして、「チェイサーを用意して一緒に飲む」ことが挙げられます。これは大事なコツなので、必ず用意しておきましょう!バーなどでも出してもらえます。
チェイサーとは「追い水」のことで英語のchaser(追いかけるもの)から来ています。コニャックと水などを交互に飲むことで口の中がリセットされ、舌が強いアルコールで麻痺することなく、飲むたびにコニャックの香りが楽しめて良いのです。
チェイサーには冷たい水(ミネラルウォーター)を飲むのが一般的な飲み方ですが、炭酸水を選んでも良く、お湯を好む方もいらっしゃると思います。変わったところでは、ブラックコーヒーもコニャックのチェイサーとして意外に合います。
ポール・ジロー スパークリング グレープジュース
先にちょっとご紹介したコニャック・メーカー、ポール・ジロー社では、毎年秋に、コニャックに使用したのと同じブドウで作ったブドウジュースも販売しています。同じブドウから作られていますから、当然コニャックとの相性も抜群な飲み物です。このジュースをチェイサーにして飲むのも、ブドウのフルーティーさを堪能できる美味しい飲み方ではないでしょうか。
さて、一度は是非ストレートで味わって頂きたいコニャックなのですが、ストレートにこだわり過ぎる必要はありません。コニャックは水割りにしても十分香り高く、美味しく飲めるお酒です。コニャックには硬水(水に含まれるカルシウムとマグネシウムの割合が高いもの)が合うとされています。できれば硬水で水割にするのがベターな飲み方と言えます。
(ヴィッテル:硬度315)
あまり硬度が高くない、適度な硬水で日本で売られているものにはヴィッテルやエヴィアンなどがあります。ヴィッテルもエヴィアンもフランスの水なので、コニャックとは相性が良いのではないでしょうか。
(エヴィアン:硬度304)
他に、コントレックスやクールマイヨールなどの硬水の銘柄もあります。ただ、コントレックス・クールマイヨールなど硬度が高い(両方とも硬度1300以上)水は、人によっては飲むとお腹を壊しやすくなる方もいらっしゃいますのでご注意ください。
コニャックはソーダ水(炭酸水)で割るのも美味しい飲み方のひとつです。ソーダ割がお好きな方はペリエ(硬水の天然炭酸水)などで割ってみてはいかがでしょうか。
コニャックは食前酒(アペリティフ)としてオンザロックで飲むのもひとつの楽しみ方です。
食前酒には極端にアルコール度数の高いものより、まろやかだったり少し軽めのものの方が向きます。ロックの氷を溶かしながら、コニャックの香りを軽く楽しみつつ会話も楽しむのは、とてもおしゃれな飲み方ですよね。
コニャックを飲む時、特にストレートで味わうときは、できるだけ香りを感じられるよう飲み方にも細やかに注意を払いましょう。その方がコニャックを楽しめます。グラスに口をつける前に、立ち上る香りをまず嗅いでみたり、口に含んだ時も舌の上で転がすようにすると良いです。コニャックの後にチェイサーを飲む時も決して急がず、コニャックの余韻を十分楽しんだ後にチェイサーを含みます。
お酒を飲む話で欠かせないのが、おつまみのセレクトですよね。
コニャックに合うとされているおつまみは、やっぱりチョコレートが定番の第一です。
特におすすめなのが、カカオ成分が多く含まれている高カカオチョコレートのビターなもの。
ビターなカカオのほろ苦さが、コニャックの芳醇さとベストマッチのおつまみです。
チョコレート以外では、レーズンやアプリコット、その他色々なドライフルーツもコニャックには合います。コニャック自体がフルーツ由来のお酒なのでフルーツと相性が良いですし、熟成された味はフレッシュフルーツよりドライフルーツの風味により一層合うでしょう。
ワイン向け同様、コニャックのおつまみにもナチュラルチーズはおすすめです。
(ポン・レヴェック=ウォッシュチーズ)
ナチュラルチーズの中でもコニャックに特に合うのは、濃厚な風味のウォッシュタイプのチーズです。
ウオッシュ・チーズは癖があって日本人には苦手意識のある方も多いですが、ポン・レヴェックなどは比較的癖がないタイプなので、コニャックを飲む際にトライしてみてはいかがでしょう。
(ロックフォール=ブルーチーズ)
羊乳から作られた青カビタイプのチーズ(=ブルーチーズ)、ロックフォールもコニャックには合うチーズとして名前が挙げられます。ロックフォールはイタリアのゴルゴンゾーラ、イギリスのスティルトンと共に世界三大ブルーチーズと呼ばれているフランスのブルーチーズです。
コニャックの飲み方として、最後におすすめのカクテルやコーヒーアレンジもご紹介します。
コニャックのカクテルで一番有名なのは、”甘くて強い”サイドカーですが、ここではかすかに春を感じられるような、2種のカクテルをご紹介してみます。
<材料・レシピ>
コニャック:45ml
アマレット:15ml
氷を入れたグラスにコニャックとアマレットを注ぎ、ステアする。
フレンチコネクションは簡単に作れるカクテルです。氷を入れたグラスに、分量のコニャックとアンズの核から作られたリキュール・アマレットを入れて軽くステアすれば出来上がり。
アマレットはアーモンドに似た香りのするリキュールで、お菓子の香りづけなどにも使われます。
<材料・レシピ>
コニャック:30ml
シャルトリューズ・ヴェール:15ml
フレッシュレモンジュース:15ml
アンゴスチュラ・(アロマティック)・ビターズ:1dash(一振り)
全ての材料をシェーカーに入れてシェイクする。
シャンゼリゼは、コニャックにシャルトリューズ・ヴェールというフランス産のハーブのリキュールを加えて作るカクテル。春のような香りがします。
角砂糖にたっぷりコニャックをしみこませ、火をつけると青い炎が立ちます。
炎が消えたら角砂糖をコーヒーに入れて飲む。これはカフェ・ロワイヤルと呼ばれる、ナポレオン一世が好んだコーヒーの飲み方です。
少し部屋の明かりを落としてこのカフェ・ロワイヤルを頂くと、ロマンティックな雰囲気を演出できますよ。
コニャックの飲み方を色々な角度からお伝えしましたが、いかがでしたか?
ワイン好きの方なら、きっとコニャックも好きになれると思います。ウイスキーよりもフルーティーな蒸留酒なので、女性の味覚にも合うはず。お値段は少し高めですが、がぶ飲みせずに香りを楽しむコニャックは、実は女性に合うお酒ではないでしょうか。自分へのご褒美のために、特別な時に楽しむお酒としておススメなのがコニャックです。お試しください!
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