記事ID8259のサムネイル画像

    泡盛ってどんなお酒?沖縄名物泡盛の原料は何で作られているのか?

    沖縄の名物にもなっている泡盛。また泡盛は日本最古のお酒とも言われています。その泡盛の原料は何で作られているのか。その原料と昔ながらの製法とはどのようなものなのか気になりますよね!そんな沖縄の泡盛の原料と製造法を調べて行きたいと思います!

    泡盛の歴史!原料のルーツは?!

    日本最古の蒸留酒として約600年の歴史を持つ泡盛。北は奄美諸島から南は八重山列島までの琉球諸島の琉球王国の外交にはかかせない酒として用いられた。原料はどの国から来たのでしょうか。

    琉球と中国の間で長く続いた朝貢貿易に用いられた進貢船にて原料の輸入

    酒の蒸留技術は14世紀後半から15世紀頃にシャム国(現在のタイ)から琉球に伝えられた。それとともに蒸留器、原料のタイ米、貯蔵用の甕などがもたらされたが、琉球の気候に最適な原料の黒麹菌の導入などの改良によって、新たな蒸留酒、つまり泡盛が誕生したと考えられている。また、14世紀以降中国と親しく交易してきた琉球の歴史の中で、酒造りの技法も伝わったであろうという説もあります。そのため東南アジアルート、福建ルート、この2つの道を通って、琉球に蒸留酒を造る技術は伝わってきたと、現在では考えられています。

    泡盛ってどんなお酒?原料はなに?

    泡盛の原料米は、インディカ種と呼ばれる細長い粒をした硬質のタイ米沖縄原産の原料の黒麹菌を使用して発酵させた醪(もろみ)をそのまま蒸留した、いわゆる全麹仕込みの琉球諸島産の蒸留酒です。現在の原料は主にタイ産インディカ米の砕米が用いられるが、近年では地産地消の動きに伴って県内産の原料であるジャポニカ米を使ったものも生産されている。ただし、原料のインディカ米は蒸した後の粘りが少ないため、製麹機で加工しやすく、製品の芳香も遜色がない特徴を持つ。
    泡盛は単式蒸留焼酎(旧焼酎乙類)の一種。3年以上貯蔵したものは古酒(クース)と呼ばれます。泡盛は、泡盛に含まれる成分そのものが、長期熟成することによって、物理的変化、科学的変化をへて香味成分などに変化していき、まろやかで、甘い香りを醸し出す。泡盛は自らの成分そのものを変化させて古酒になっていくので、瓶詰めしたあとでも古酒化が進むのです。

    沖縄原産の原料タイ米の黒麹菌

    原料の黒麹菌のみを使って酒造りを行ってきたところは、世界広しといえど、現在分かっているのは沖縄だけなのです。 なぜ沖縄だけが原料の黒麹菌だけなのでしょうか。 それは亜熱帯海洋性気候と呼ばれる温暖で多湿な沖縄の気候風土に大きく関係しています。原料の 黒麹菌は酒の製造過程でクエン酸を大量に生成するため、ほかの麹菌に比べてもろみ(米麹に水と酵母を加えてアルコール発酵させる段階)の酸度を高くすることができ、雑菌による腐敗を抑えることができるという大きな特徴があります。 温暖多湿の沖縄は、さまざまな菌にとっても繁殖しやすい環境でもあります。酸度の弱いもろみだと、空気中に浮遊する腐敗菌に負けて、もろみが腐ってしまう危険性も高いのです。 このような風土である沖縄で酒を造る際に、原料の黒麹菌が最も適していることを沖縄の先人たちは長い経験の中で習得していったに違いありません。

    原料のインディカ米とジャポニカ米の違い

    国産のインディカ米も栽培され、焼酎や泡盛の原料になっています。最近のタイ国では原料のジャポニカ米の生産が盛んになっている地域もあるようです。つまり、タイ米といってもインディカ米だけでなくジャポニカ米もあるし、国産米もジャポニカ米だけでなくインディカ米もあるんです。
    味を追求すると原料は国産米になるのでしょうか。追求の方向性をどこにするかでしょうが、追求したとしても味の差はわずかな差です。原料のインディカ米、ジャポニカ米それぞれも特徴はあり、インディカ米はコクのある味のお酒に向いている、ジャポニカ米はすっきりしたさわやかな味わいのお酒に向いている、と言われています。ただし、原料のインディカ米でもすっきりした味わいにしたいのであれば、仕込み方法や蒸留機を調整して求める味にできますし、ジャポニカ米でもコクが深い味わいにしたいのであればできるんです。14~15世紀には貿易が盛んであった琉球には、すでに原料のインディカ米も取引されていたと考えるのが普通です。しかし、琉球王朝時代からの伝統の原料米がインディカ米でなく、あえてジャポニカ米や粟だったのは原料が安価だったことからです。そんな琉球王朝時代の伝統的な原料米が、大正の末期から昭和の初期にかけてインディカ米に移行したのも、安い原料を使って製品を製造しないと商売として成り立たない(又は儲けが小さい)ことが最も大きな原因です。

    原料「タイ米」から泡盛が出来るまで!

    泡盛の製造工程は、簡単に説明すると次のようになります。

    [1] 洗米
    [2] 浸漬
     (米を水に浸すこと)
    [3] 蒸し
    (洗米をおえた後、水きりをして米を蒸します)
    [4] 黒麹菌の種付け(米麹づくり)
    (蒸米は40℃前後を保ちながら黒麹菌を散布して製麹。約40時間で麹が出来上がり)
    [5] もろみ
    (出来上がった麹を仕込みタンクに水と酵母を加えて発酵させます。約15日から17日)
    [6] 蒸留
    (発酵が終わると単式蒸留機に入れ、間接加熱で蒸留します)
    [7] 熟成(割り水して度数調整)
    (蒸留された泡盛は大型貯蔵タンクで貯蔵し熟成を待ちます。泡盛は、長時間熟成するほど豊かな風味とまろみが増してきます。一般貯蔵とは別に古酒用の荒焼のカメに最低三年以上熟成させ、古酒(クース)に仕上げます)
    [8] 容器詰め(銘柄によってはさらに割水をして度数調整し、詰める)

    [4] 黒麹菌の種付け(米麹づくり)の様子

    出来上がった麹に天然の湧清水と酵母を加えて発酵させモロミをつくります。この黒麹菌こそ、「美酒の種もと」ともいうべきものであり、泡盛独特の風味や香りを生み出す秘密でもあります。

    時が深い味わいを泡盛に注ぎ込む「古酒(クース)」

    古酒(クース)という名称は、3年以上という長い歳月をかけて熟成を重ねた泡盛だけが、名乗ることができます。その特長は、長く寝かせて熟成を深めるほどに芳香を増し、舌の上を転がるようなまろやかさが加わってくるところです。古来より特に珍重された古酒は、宮廷で遠来の客をもてなすために用いられたというエピソードからも伝わるように、大変な貴重品でした。 泡盛は瓶で熟成させることもできますが、古くから伝えられる「仕次ぎ」と呼ばれる方法で、いつまでも年代物の古酒を楽しむことができます。 「仕次ぎ」では、まず最も貯蔵年数の長い泡盛である親酒(親瓶)を準備します。 それから年代順に酒を並べ、二番手から親酒(親瓶)へとくみ出したり、蒸発等で自然に目減りしたりした分を三番手から補います。 三番手からくみ出された量の分だけ四番手から注ぎ足していき、これを順次行います。こうした順次補うやり方を「仕次ぎ」と呼んでいます。このような工程を経ることで、親酒(親瓶)の風味は損なわれず、数十年物の古酒が楽しめるようになります。

    泡盛の度数

    酒税法で単式蒸留しようちゆう(旧焼酎乙類)のアルコール分は15℃下の容積比で45%以下と定められているため、蒸留された原酒に加水して調整する必要がある。与那国島(与那国町)に特例で製造が認められているアルコール度数60%の銘柄(花酒と呼ぶ)は酒税法上「スピリッツ」となるが、この度数では税率の上での差異はない。花酒には「どなん」、「与那国」、「舞富名」の3銘柄があり、皿に広げるとアルコールが揮発し、容易に火がつくそうです。

    泡盛の美味しい飲み方

    【ストレート】
    泡盛・古酒の濃厚な芳醇さをじっくりと楽しむ事ができます。
    ツウの方の飲み方です。※ 片手にはお水をお忘れなく。

    【オンザ・ロック】
    氷のカケラを上に泡盛を注いで、泡盛・古酒の味わいとヒンヤリしたのど越しを楽しむことができます。

    【水割り】
    30度の泡盛は(酒5:水5)、43度の場合は(酒3:水7)くらいにすると泡盛の独特の甘味を感じることができます。地元沖縄で最も一般的な飲み方です。

    【お湯割り】
    お燗にするというより、ひと肌に冷めたお湯を泡盛に注いでいただきます。泡盛は度数も高く全米製ですので、のびが効き(水っぽくならない)秋の夜長、冬の夜を暖かくポカポカと体を温めます。シークヮサー果汁やレモン汁を入れるのもおススメです。

    【カクテル】
    泡盛は、実はカクテルにしてもおいしいお酒。
    シークヮーサーを使ったさっぱりカクテルやトロピカルなフルーツカクテルも合います。

    沖縄名物琉球ガラス

    水割りなどのときは琉球ガラスのグラスがよく使われる

    沖縄伝統のカラカラ

    熟成された古酒をより深く味わうのならストレートということになる。この場合、猪口と、泡盛用の伝統的な酒器であるカラカラが使われる場合が多い。

    泡盛カクテル

    沖縄の海にもピッタリです!

    関連する記事

    この記事に関する記事

    TOPへ