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    芳醇な香りにうっとり~♪見つけてみよう!日本酒が旨くなるMy酒器

    日本酒はどんなお料理にも合う、とても優秀なお酒です。味や口当たり、温度など他のお酒と比べても多彩な種類があり、多様な楽しみ方ができるのです。酒器の素材や形も千差万別で、器によって味わいや口当たりが変わります。酒器を知って、日本酒の格別な味わいを発見しましょう!

    日本酒を引き立てる酒器

    日本酒はかつて「おじさんの飲み物」のと言う印象の強いお酒でしたが、カップ酒のブームで女性や若者にも親しまれるようになりました。そして、到来した塩麹や甘酒ブームで、麹もすっかり健康や美容効果のある定番の調味料として定着しました。

    昨今、日本酒の消費量が減っていると懸念されていますが、実はこれらのブームの流れをみると、日本酒の味を好む土壌が出来て来ているようにも思われます。

    その日本酒を、「旨いな~」と心行くまで楽しむために一役買ってくれるのが、「酒器」です。

    日本酒を引き立てる酒器:材質と形状

    酒器の材質

    日本酒は酒器で香りや味わいが変化するので、ワインのように、お酒の魅力を最大限に引き出す酒器を選びます。酒器を変えて、日本酒を自分好みにするのも面白いでしょう。

    ・味が強い「純米酒」「山廃」には、まろやかな味わいになる陶器が向いています。
    ・「吟醸」「大吟醸」には、クリアな味わいになるガラスが最適です。
    ・磁気は陶器とガラスの中間で、お酒がすっきりとした味わいになります。

    季節によっても酒器の素材を使い分けます。夏は涼しくガラス、冬は温かい陶器を、と言うように。日本酒も、季節によって違った味わいのお酒が楽しめます。春から夏は、香りの華やかなお酒を。暑い夏は、スッキリとしたお酒を冷たく冷やして。秋から冬は、濃厚でまろやかなお酒を熱燗で。日本の豊かな季節の変化に、不思議とお酒を楽しむ気持ちも変わって行きます。

    酒器の形状

    酒器の形を決める時、最初に選ぶのが酒器の「口径」です。どんな風にお酒を飲みたいかによって変わってきます。

    ・「小さい口径」ならスッキリとした飲み心地になり、軽く沢山飲む事ができます。
    ・「広い口径」なら、濃厚な飲み心地になり、じっくり飲むのに向いています。

    次に、形や深さを選びます。(写真の左の器から)

    ・ラッパ型 … 口がラッパ型に広がったもは、日本酒の香りが程よく広がるので、「吟醸」「大吟醸」などの香り高いものに向いています。

    ・ボウル型 … 口径がある程度広く、お椀の様なワングリ型の器は、味が濃厚に感じられ、お酒の旨みや甘みをしっかりと味わうことができます。端麗辛口の「本醸造」「生酒」などのお酒を飲むのにおすすめです。

    ・つぼみ型 … 飲み口より下の方が丸く膨らんだ器は、日本酒がもつ香りをを包み込んでくれます。お酒本来の味を楽しめる「純米酒」に最適です。

    ・ストレート型 … 底が深く縦長で、口に向かってストレートに少し広がる器は濃密な香りや風合いの「古酒」や「長期熟成酒」など個性的な味わいの日本酒を飲むのに向いています。

    日本酒を引き立てる酒器:おすすめの酒器

    お猪口という酒器

    お猪口は少量のお酒しか入らないので、温度変化を気にせずに飲めて、素材による口当たりの違いもそれほどありません。熱燗には口の広がったお猪口がおすすめです。温められたお酒は、アルコールが揮発するので、口が広がっていればアルコール臭が拡散され、飲む時に気になりません。

    デザインも高級感のあるものから、素朴なものまで様々です。面白い趣向を凝らしたお猪口もあるので、お気に入りを探すのも楽しいですよ。

    ガラスの酒器

    飲み口がラッパ型に開いた、縦長の酒器です。日本酒の香りが程よく立ち、容量も一度に注ぐのにちょうどいい量が入ります。フォルムの美しい一品です。

    日本酒の初心者は、最初は、ワインの酸味や渋みに抵抗を感じるように、日本酒の麹のコクのある味に抵抗を感じるかもしれません。そう言う人には、冷たく冷やした「吟醸酒」をおすすめします。米と米麹だけで醸造された日本酒の原点とも言うべき「純米系」くらべて、「吟醸酒」は醸造アルコールを加えていて、スッキリと飲むことができるのです。

    時々、「ワインみたいだ。」と思える吟醸酒にも出会うこともありますよ。

    口が少し開いた、ストレートな酒器です。ガラスを極限まで薄く成形しており、うすはりと呼ばれています。華やかな江戸切子の細工が施されています。もとは、ガラス電球を口吹で作る技術を応用したもの。極限まで薄いので、口当たりが柔らかく、ガラスの存在感を感じさせません。

    繊細な細工が施された江戸切子の酒器です。色や形も様々で、細工によって違った表情を見せてくれます。冷えた冷酒に、クリスタルの光がきらきらと美しく反射します。

    陶器の酒器

    厚手でごつごつした風合いの唐津焼です。粘土から作られる陶器は、ざっくりとした素地で温かみがあり、お米の味わいをしっかりと感じる純米酒やお燗に合います。

    寒い季節、ひれ酒のお燗にすれば、熱々の日本酒から炙ったひれが香ばしく香ります。

    磁器の酒器

    エッグシェルと呼ばれる有田焼の酒器で、透光性があり厚さがわずか1mm。江戸から明治にかけて海外へ輸出されていた「卵殻手」と呼ばれるこの酒器は、技術を極め、西欧人にも絶賛されていました。
    エッグシェルは、繭をイメージしたフォルムで、手に持ったふんわりとした感触と、日本酒の口当たりの良さが楽しめます。

    有田焼は焼き物の中でも磁器と呼ばれ、陶器とは違い、陶石と言う岩石を砕いた粉を主に原料としています。

    木製の酒器

    檜を使った曲げわっぱの酒器です。木の香りで、日本酒の匂いが気にならなくなります。

    錫の酒器

    錫の酒器です。錫は、1300年頃日本に伝わってきましたが、錆に強く、腐食しないので、古くから神仏器具や酒器に使われてきました。抗菌性や熱伝導にも優れており、酒器に適した素材です。また、高いイオン効果があるので、日本酒をまろやかにすると言われています。

    日本酒を引き立てる酒器:コレクションしたい!カップ酒


    白磁カップに伊万里焼と有田焼の美しい古典的な文様 が入った、有田焼のカップ酒です。入っているお酒は、佐賀県産の酒米を使った純米酒です。

    旭川動物園のお土産として売っているカップ酒です。描かれている動物たちの絵がおちゃめで、お酒とは思えない可愛さです。入っているのは、北海道の旭川で作られた純米酒です。

    カップ酒を探してみると、個性的で素敵なデザインのものが色々と見つかります。少しづつ日本酒を味見しながら、コレクションして行くのも楽しみの一つです。

    日本酒を引き立てる酒器:終りに

    日本酒の旨さをじっくりと味わいたい時は、酒器を吟味して、素材の味を生かしたお料理や季節の旬の食材と一緒に頂きます。お料理、お酒と味わえば、両者の味がひと際引き立ち、日本酒の美味しさに唸らずにはいられないでしょう。

    熟練の職人さんたちが小さな酒器に仕掛けた粋な演出に酔いながら、美味しい日本酒を堪能するのも乙ですね。

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