【仙台日本酒今昔物語】~あなたにも知ってほしいことがここにある。
2016/02/02
sokkinnbusiness
2016/02/04 更新
我々日本人のソウルドリンクの一つに日本酒があります。日本酒にはランク付けがされています。このランク、多くの方は目にしたり耳にしたりはしてるのですが、その違いなどを知る人は実は少ないのです。ちょっと知っているだけで日本人の心をも注ぎこめます。是非この機会に
お酒が米を主体として造られるようになったのは、縄文時代以降、弥生時代にかけて水稲農耕が渡来定着した後で、西日本の九州、近畿での酒造りがその起源と考えられます。この頃は、加熱した穀物を口でよく噛み、唾液の酵素(ジアスターゼ)で糖化、野生酵母によって発酵させる「口噛み」という、最も原始的な方法を用いていました。酒を造ることを「醸す」といいますが、この語源は「噛む」によるといわれています。
この「口噛み」の酒は『大隅国風土記』等に明記されています。「口噛み」の作業を行うのは巫女に限られており、酒造りの仕事の原点は女性からであるということが伺えます。
そして、技術が進化し現代の日本酒と呼ばれるモノに近づいていったのは、奈良時代頃だともいわれています。
昔は日本人はお米を主食として、お米を原料とした日本酒を飲んでいるのですから、身体が喜ぶんでしょう。
ご存知の通り日本酒にはランクがあります。
○大吟醸酒
○純米大吟醸
○吟醸酒
○純米吟醸酒
○本醸造酒
○純米酒
と、この6段階にランクに分けられます。これらランクの違いを表にすると下記のようになります。
○大吟醸酒
精米歩合50%以下、麹歩合15%以上、若干のアルコールを添加。
○純米大吟醸
精米歩合50%以下、麹歩合15%以上、アルコール添加をしていない。
○吟醸酒
精米歩合60%以下、麹歩合15%以上、若干のアルコールを添加。
○純米吟醸酒
精米歩合60%以下、麹歩合15%以上、アルコール添加をしていない。
○本醸造酒
精米歩合70%以下、麹歩合15%以上、若干のアルコールを添加。
○純米酒
精米歩合による規定はない、麹歩合15%以上、アルコール添加をしていない。
精米歩合とアルコールの添加があるかないかの違いでランクされています。
上記のランクはしっかりと国が定めた規定の下、表記されています。
また、特撰や上撰などのランクが表記されいることがありますが、これらは各製造メーカー独自のランク付けなので、少しんの参考にしてみて下さい。
黒縄(十四代)
産地:山形県
日本酒度:+4(辛口)
日本酒通の間でも人気を獲得しており、今最も検索されているブランドといえば「十四代」。このブランドが地元の山形県内で流通させるときに使用している名前が「黒縄」であり、今や”幻の日本酒“なんて異名を持っていたりします。非常に高価ですが飲む価値はあります。
是非とも「純米以外の日本酒は偽物だ!」などと考えている純米酒マニアに飲んで欲しい逸品であり、あなたの中の”純米酒神話”は音をたてて崩れる事でしょう。
大吟醸の中でも最高ランクの逸品です。
八海山
産地:新潟県
日本酒度:+5(辛口)
米どころの日本酒はうまい、新潟の日本酒はうまい、そんな新潟の日本酒を日本に広めた先駆け的な存在といえば八海山です。それは今なお高くランク評価されており、日本酒好きでなくても名前を知っているブランドの1つである事は間違いありません。
大吟醸作りを全ての酒の基本ランクとした「八海山」の原点とも言えるこの大吟醸、昨今もてはやされているインパクトの強い濃厚で芳醇な味わいの日本酒とは違い、飲み疲れしない”燻し銀“の日本酒らしさが感じられる逸品、まさに私たちが求めている日本酒の味のレベルランクはこの大吟醸であると言える銘酒。
田酒/百四拾
産地:青森県
日本酒度:+1(普通)
山田錦に匹敵する米を研究した末に誕生した青森の「華想い」を麹米と掛米すべてに使用し青森の地酒として確固たる地位を築いている田酒の純米大吟醸”百四拾“は、透明度の低い質感と黄緑がかった液色から感じる通り、柔らかく穏やかにリンゴのような香りが立ち、優しい甘みが口いっぱいに膨らみます。
しかし味の引き際は透明感のある味わいであり、後味は一瞬にして消えるように無くなります。そのせいで、もう一杯!もう一杯!と飽きることなく飲めてしまうのがポイント。あれこれ日本酒を飲んできた人で、本当に美味しい純米大吟醸を探しているのであればこれ一択。探していた味わいはきっと田酒の純米大吟醸が教えてくれます。
久保田/萬寿
産地:新潟県
日本酒度:+2(やや辛口)
正直、あまりにも有名な日本酒すぎるため、紹介するべきかどうか迷いましたが、もし「ちょっとミーハーな気がして飲んでいない」という人がいるなら、その人に飲んでいただきたいという思いから紹介させていただこうと思います。
非常に高価な日本酒です、久保田の日本酒の中でも最高ランクであり、それは純米大吟醸の中でも最高ランクであると言えます。ですから美味しくないわけがありません。美味しいからこそ「ミーハー」であり、美味しいからこそ「有名」なのです。
こんなに高価な日本酒が美味しくなくて売れるわけがありません。個人的にも初めて美味しいと思った日本酒であり、一升瓶を開けたその日に飲み干してしまった初めての日本酒です。まだ純米大吟醸と大吟醸の違いもわからない頃でしたが、その美味しさは知識のいらない美味しさという事なのです。
まるで「何を飲んだのか忘れてしまう」ほどにスルリと喉を通り、思い出すためにまた飲む、そうしてついには飲み干してしまう、魔法にかかったかのように進む、本当に美味しい純米大吟醸です、と日本酒通をうならせる逸品です。
磯自慢
産地:静岡県
日本酒度:+4.5
磯自慢酒造の最も特筆すべきポイントは、そのクオリティの高さもさることながら、その徹底した品質管理と高い意識レベルにあります。蔵の主要部分(仕込みに使用する場所)を総ステンレス張りにするなどの先行投資をいとわず、業界の常識に縛られない斬新な蔵の改革をどんどん行っています。消費者に留まらず、酒造業者などにも非常に高い評価を得ている唯一無二の蔵元といえるかと思います。
こんなこだわりのある高ランクな日本酒を一度は口にして下さい。
桜 花 吟 醸 酒
産地:山形県
日本酒度:+5(辛口)
吟醸酒ファンの中でこの酒の名前を知らない方はいないのではないでしょうか?
「吟醸酒の出羽桜」を世に認知させた酒がこの酒です。
高精白(50%精米)の美山錦と華やかな香りと淡麗でふくよかな味わいで全国的に有名になりました。蔵元も吟醸酒を世に広めた商品と自負しておりますが異論はないと思います。
桜花吟醸は本生と火入れがあり、本生(緑色のビン)火入れ(茶色のビン)のそれぞれをビンの色で見分けることができます。 香り高く、果実のような香りが楽しめます。
火入れは本生よりも落ち着いた香りで飲み飽きしない酒質に仕上がっています。
酸味と甘みのバランスも良く、華やかですが、想像以上に食事の邪魔をしません。しぼりたてはさらにフレッシュな香りで冷たい温度で飲むのがお薦めです。
出 羽 燦々
産地:山形県
日本酒度:+4(辛口)
出羽燦々という米は山形県の工業技術センターが11年もの歳月をかけて開発した酒米で、それまで主力だった美山錦にとってかわって使われ始めています。
最初、4つの蔵元が試験醸造に入り、もちろん出羽桜もそのうちの一つですが、本格的に県内の蔵元が醸造を始めたときは、米に馴れていないせいもあって品質ランクにかなりのばらつきがありました。
その中でも出羽桜は初年度から良い品質の酒を醸してきた日本酒です。
吟醸香、含香どちらも程良く、さっぱりした味、切れの良さは蔵の特徴が出ていて、とても呑みやすいお酒です。
和紙のラベルデザインは素朴。味も同じく素朴。でも、爽やか。出羽燦々に、絶対の自信が感じられる逸品です。
伯楽星 純米吟醸 生詰
産地:宮城県
日本酒度:+4
「究極の食中酒」を目指し、情熱溢れる若き職人たちが丹念に生真面目に造る宮城の酒。天に昇る駿馬を育てた馬の目利き“伯楽”から名づけられた印象的な酒名を聞くだけで、日本酒好きはゴクリと喉を鳴らすようです。
蔵の目標どおり、料理をおいしくしてくれる、なめらかでひっかかりのないみずみずしい味わいが特徴。中盤からの優しい旨味と後味の軽いコクと香ばしさが感じられ、なんとも後を引きます。
繊細な豆腐料理、白身魚の刺身、煮付けとなんでも美味しくしてくれる。小魚の唐揚げにレモンをちょっと絞ったものなどつまみながらだと、もう止まらない。幸せの組み合わせなんです。
獺祭
産地:山口県
日本酒度:+5
「獺祭」とは、山口県にある旭酒造さんが醸している、世界に誇る日本酒です。
国内でもランキング1位の常連となっている日本酒です。
『酔うため 売るための酒でなく 味わう酒を求めて』
という信念に基づき作られており、他の蔵では無いような、思い切った作り方をしています。
獺(かわうそ)に祭と書き「獺祭(だっさい)」と読みます。
カワウソは捕らえた魚を岸に並べる習性があり、その姿はお祭りをしているように見えるらしい。詩や文をつくる際、多くの参考資料等を広げちらす様子と共通することから、「獺祭」とは書物や資料などを散らかしている様子を意味します。
常識を覆したのが「獺祭」で使用されている<遠心分離システム>です。
それは、一分間に約3000回転という遠心力でモロミからお酒を分離させるという、日本酒業界としては画期的な遠心分離の技術を使ってお酒を搾る方法で、この方法によると袋吊りで搾った時と同様に無加圧の状態でお酒を分離させるので、純米吟醸酒の本来の香りやふくらみが損なわれることなく、雫酒のような非常に純度の高いお酒が完成するわけです。
あぁ、一度は飲んでみたい最高ランクの日本酒です。
今回の日本酒のランク別まとめはいかがでしたでしょうか?
普段日本酒を飲まない方でもちょっと飲んでみようかと思われたのでは、ないでしょうか。
もう一度日本酒ランクのルールを見て頂き、それを元に購入されたり、オーダーしてみて下さい。
そして、ゆっくりとお酒を楽しんで下さい。
日本人なら最高ランクの大吟醸の味が分かる大人になりましものですね。
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