2015/12/22 更新
キャンティワインって何?キャンティワイン選びに役立つ情報満載!
キャンティワインと一言で言っても色々あります。価格も違えば味の特徴も飲み頃も異なります。キャンティワインのことを良く知れば、きっと好みのものを見つけることができるでしょう。キャンティワインやキャンティクラッシコワインに合う料理もご紹介します!
イタリアのワインと言って一番に思いつくのは何でしょうか?
バローロ、バルバレスコ、ブルネッロ等を思いつく人もいるかもしれませんが、一番知名度が高いのはキャンティワインではないでしょうか?
それもそのはず、イタリアのDOCGワインの中で最大の生産量で、手頃な値段のものも多く目にする機会も多いからです。
では、キャンティワインとは?と聞かれると「イタリアのワイン」「トスカーナのワイン」「藁づとで包まれた丸みのある瓶(フィアスコボトル)」(この形状は最近では少数派です)ということ以外は分からない人もまた多いと思います。産地や特徴などが分かればキャンティワインを選ぶ指標にもなり、キャンティワインをより楽しめるのではないでしょうか。
キャンティワインの産地は、イタリアの中央に位置するトスカーナの大部分をカバーする丘陵地帯(標高500~650m)で、「キャンティクラッシコ」を産する地域を中心に、取り掴むような形で広大に拡がっています。それは南北160kmにも及び、フランスのボルドーのワイン産地より大きいんですよ。
トスカーナの最高権力者、メディチ家のコズィモ三世大公爵は、偽キャンティワインの市場への氾濫を食い止めるため、1716年に生産者を保護する法令を出した。
これがキャンティワインの始まりです。その後、キャンティワインの地域は広がり、現在は元々のキャンティワインの地区を「キャンティクラッシコ地区」としてキャンティ地区とは区別しています。
中央のオレンジ色の部分がキャンティクラッシコの産地で、それを囲むようの7つの地域名をラベル表示する指定地域があります。そしてそれを更に囲むように(黄色い部分)地域名を表示しないキャンティワイン生産地区があります。地域名を表示する指定地域のキャンティワインは若干上質のワインになります。
Colli Fiorentin (コツリ・フイオレンティー)
フィレンツェの南と東の丘陵地帯。かってのわらずと瓶のワインの長年の供給地。リゼルヴァ以外は若飲みタイプ。
Rufina (ルーフィナ)
フィレンツェの東のシェーヴェ川上流の小地区。他の地区より高い位置にあり、それが鋭さと力強さをもたらす。熟成によって洗練されたものになる。
Montalbano (モンタルバ-ノ)
プラートの南西、ほぼ、DOCG・カルミニャーノと同じ地域。1~5年で飲む若飲みタイプ。
Colline Pisane (コツリーネ・ピサーネ)
ピサの南東の丘陵地帯。海に近いから海洋性の気候の影響を受け、ワインは軽く柔らか。若飲みタイプ。
Colli Senesi (コツリ・セネージ)
クラッシコ地域南部を取り囲む凹状の地域。多くは若々しいスタイルの若飲みタイプ。
Colli Aretini (コツリ・アレティーニ)
クラッシコ地域の東、アルノ渓谷の丘陵。中程度のボディーで、柔らかな口当たり。若飲みタイプ。
Montespertoli (モンテスペルトリ)
フィレンツェの南東部の丘陵地帯。若飲みタイプ。
全てキャンティワインではありますが、地区によってそれぞれの特徴があります。若飲みタイプのものが多い中、Chianti Rúfina DOCGはエレガントで寝かせるとより美味しくなるタイプなので覚えておくと良いですね。
キャンティワインの葡萄
トスカーナを特徴付けるブドウであるサンジョヴェーゼを75%以上使用、それからキャンティの誕生以来使われてきたカナイオーロ・ネーロを最大10%、トレッビアーノ・トスカーノとマルヴァジーア・デル・キャンティを最大10%まで、その他の赤ワイン用ブドウを最大15%まで使用できます。
サンジョヴェーゼはイタリアワインに使われる葡萄の品種の中でも3本の指に入る、とてもポピュラーな葡萄です。サンジョヴェーゼの中でも小粒のサンジョヴェーゼ・ピッコロがキャンティワインに使われます。
ちなみ大粒のサンジョヴェーゼ・グロッソはブルネッロ・ディ・モンタルチーノやヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノに使われています。
キャンティクラッシコの葡萄
先ほども少し触れましたが、キャンティワインとは別のワインとしてキャンティクラッシコがあり、当然定められている葡萄の割合も異なります。またキャンティクラッシコの瓶には黒鶏のマークが付いています。
80~100%サンジョヴェーゼ種で造り,補助葡萄には伝統的なカナイオーロ、コロリーノ種、あるいは国際品種・カベルネ、メルロー種が使われる。白葡萄は使われていない。
キャンティクラッシコはサンジョヴェーゼ100%で作ることもできます。また、キャンティワインと異なり2006年から白葡萄を使わないのが特徴です。
基本的には若飲みタイプのキャンティワインであればイタリアの家庭料理全般、特にパスタや軽めのお肉料理が合います。
いくつか参考になる料理をご紹介します。
ハンバーグのトマト煮込み
赤ワイン全般に合うので、キャンティワインともよく合います。
キャンティクラッシコと合わせたい場合はソースに赤ワインをたっぷり入れるとコクが出て良いですね。
トマト肉じゃが
トマトソースかトマトジュースを使った洋風肉じゃがは若飲みタイプのキャンティワインにぴったりです。
ラザニア
ラザニアに限らず、ラグー(ミートソース)を使ったものはキャンティワインに合います。
軽めのキャンティワインなら豚挽肉、キャンティクラッシコやルーフィナの様なしっかりめのキャンティワインなら牛肉多めの合挽肉や牛挽肉が良いでしょう。
ビーフシチュー
赤ワインたっぷりのビーフシチューならしっかりしたキャンティクラッシコにも十分合います。
いかがでしたか?
一言でキャンティワインと言っても、奥が深いですね。料理に合わせてキャンティワインとキャンティクラッシコを飲み分けたり、お好みのキャンティワインの地区を探してみるのも良いかもしれませんね。そしてお気に入りのものが見つかったら、ぜひ地区や生産者を覚えておくとキャンティワイン選びに失敗しませんね。