2016/05/23 更新
焼酎・佐藤酒造を徹底解説!人気焼酎蔵の秘密と魅力まとめ!
芋焼酎ブームで一気に知名度があがった佐藤酒造について、入手困難となった芋焼酎「佐藤」・麦焼酎「佐藤」・地元で昔から愛されてきた「さつま」・毎年の新たな試み「あらあらざけ」それぞれの違いと魅力について調べてまとめてみました!
明治39年創業の鹿児島の焼酎蔵、佐藤酒造。情熱と実直さをもって焼酎を作っている焼酎蔵です。
仕込だけでなく工程全てに使われる霧島山系の清らかな水は、そのまま飲んでもまろやかでおいしいと言われ伝説の水とも呼ばれています。
「宴のメインディッシュは、集う人たちの楽しさそれ自体です。その楽しさをさらに盛り上げるのが、酒や料理。酒自体が主人公になるのではないのだと思っています」
佐藤酒造・専務取締役 佐藤 誠氏の言葉からも、そして佐藤酒造と付き合いのある正規特約店でのどのコメントを見ても佐藤酒造の実直で真っすぐな信念が伝わってきます。あくまでも酒は脇役と考え、原料の味を生かしながらも優しく飲み続けることができる佐藤酒造の焼酎はこうした考えから作られています。
芋焼酎「白麹仕込 佐藤」
白麹仕込で原料にコガネセンガンという芋を使った焼酎です。白麹は黒麹に比べて原料をマイルドで優しく生かした焼酎になる傾向があります。軽快で優しい味わいは食事とともに楽しむのにも適しています。
芋焼酎「黒麹仕込 佐藤」
こちらも原料はコガネセンガンですが麹は黒。本格焼酎ブームの際に注目され、グルメ漫画にも紹介され一気にプレミア焼酎まで駆け上がった銘柄です。人気はずっと続いており、いまは多少落ち着いているものの入手しにくい焼酎でもあります。
黒麹というとどっしり骨太、との分類がされがちですが、佐藤酒造の「黒麹仕込 佐藤」はとても柔らかく程よい旨味がしっかりと生きています。きりっとしていますが芋の味わいも深く、黒麹だからこそ原料のよさがストレートに伝わる焼酎です。合わせるアテはぜひ肉味噌と!
芋だけではなかった!麦焼酎「佐藤 麦」
焼酎で「佐藤」というと芋ばかり浮かぶ方も多いと思いますが、佐藤酒造では麦焼酎「佐藤 麦」も作っているのです。芋ほどの知名度はありませんが麦焼酎の中でも評価は高く、価格がお手頃なのもうれしいところです。
芋焼酎の「佐藤」と同様やさしい飲み心地がここちよいお酒です。開けると甘くふくよかな香りが広がりますが、飲み口は重くなくロックで飲むとより麦の風味を楽しめます。麦焼酎が好きな方にはもちろんですが、普段は芋を飲み慣れている方にも飲みやすい麦焼酎です。
芋焼酎「さつま」
鹿児島の人を中心に愛飲され、佐藤酒造を支えてきた「さつま」白麹仕込です。「佐藤」の人気につられる形でこちらも一時期入手困難に、いまでも九州以外ではプレミア価格がつくことも多いそうです。
白麹ということで佐藤酒造の芋焼酎の中では一番飲みやすく、そして飲み飽きしない味わいのお酒です。佐藤酒造の希望小売価格は一升2200円前後ととても手軽で普段飲みの芋焼酎としてとても評価が高いです。
芋焼酎「黒さつま」
最近はどうしても「黒麹仕込 佐藤」と比べて評価がおとされがちですが日常酒・食中酒としてすばらしい焼酎です。きりっとした飲み口と香ばしい香りですが、佐藤酒造らしい芋の甘さと余韻を感じられる味わいです。
毎年限られた本数だけ出荷される焼酎「あらあらざけ」。麹米や原料の芋の銘柄・蒸留方法や配合を変え、毎年新しいおいしさを求めて作られる焼酎です。
その年の焼酎の特徴をできるだけ蒸留直後の姿そのままで製品化するため、無濾過の新酒というかたちで届けられます。
毎年風味は変わるものの、原酒ならではの芋の味わいと香りの力強さ(アルコール度数も格段に高いです)は佐藤酒造がお好きならばぜひ試してほしいもの。名前の通りあらあらしい出来上がりですが荒削りのおいしさもまた格別です。
本格焼酎ファンの中でも高く評価され続ける「佐藤」と、原料や製法を変え、常に新しい取り組みをしている「あらあらざけ」。確かなおいしさと新しさを持ち続ける佐藤酒造の焼酎は、これからも広く愛される焼酎であることでしょう。